- 著者
 
          - 
             
             横山 登志子
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 一般社団法人 日本社会福祉学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 社会福祉学 (ISSN:09110232)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.61, no.4, pp.57-70, 2021 
 
          
          
          
        
        
        
        <p>本論文の目的は,ドメスティック・バイオレンス(DV)の被害を受けた女性・母子の緊急一時保護の実態調査と追跡調査から支援課題を検討することである.緊急一時保護の実態調査結果からは,①複合的困難ゆえの短期間調整の難しさ,②「生命の危惧あり」の多さ,③子どもの被害の見えにくさ,④被害女性の生活経験にみる生活困難,⑤自立的な生活再建層を中心に予想される不安定さ,⑥継続する生活困難であった.また追跡調査からは約7割のケースで連絡がとれず生活基盤の不安定性が継続している可能性が示唆されたほか,電話が通じたケースでもほとんどのケースでさらなる転居がみられた.以上のことから,支援課題を3点指摘した.①複合的困難と転居に対応する連携強化,②子どもの被害に焦点を当てた支援,③アフターケアの強化である.</p>