著者
間宮 貴代子 小出 あつみ 阪野 朋子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.32, 2021

<p>【目的】たまり醤油は、豆味噌と並ぶ愛知県の代表的な調味料である。本研究では、たまり醤油についてのイメージや認知度、使用方法についての意識調査を実施した。また、たまり醤油の使用用途を広げる目的で菓子の商品提案を試み、その特性と嗜好性を検討した。</p><p>【方法】調査対象者はN女子大学の学生318名(平均年齢20.5歳)で自記式質問紙調査を実施した(回収率100%、有効回答率94%)。菓子は、イチビキ㈱製のたまり醤油を使用して5品目(フィナンシェ、チョコレート、ドーナツ、ワッフル、キャラメル)を調製し、栄養価を求めた。官能評価はパネル16名(女性、平均年齢42.4歳)が6項目を5点尺度の採点法、嗜好性を順位法で評価した。得られたデータは<i>Excel</i>で集計し、意識調査の結果は<i>x<sup>2</sup></i> 検定(2×2分割表、n×m分割表)、官能評価結果は<i>Tukey</i>の多重比較検定および<i>Newell&MacFarlane</i>を行った。統計的有意水準は5%で示した。</p><p>【結果】たまり醤油の認知度は43%で、イメージは「味が濃い」の68%が最も多く、使用度は26%と少なかった。たまり醤油の認知度と使用度は、本人や母親が愛知県出身者のほうが、愛知県外出身者より有意に多かった。たまり醤油を使用する人は、刺身に使う人が80%と多かったが、愛知県の三河地域出身者に煮つけやたれなどにも使用する傾向がみられた。たまり醤油を知っている人では、刺身にたまり醤油を使う人は38%と少なく、醤油を使う人が66%と最も多かった。たまり醤油を使用した菓子5品目の官能評価の結果、たまり特有のとろみや濃厚なうま味などの特徴を活かし、新規性もあり好まれることが認められ、さらに工夫することで商品化に繋がる可能性が示された。</p>

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