著者
植田 真一郎
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
日本臨床薬理学会学術総会抄録集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.2-S23-4, 2021

<p>臨床試験の目的は診療を良い方向に変えることであり、それは開発型の臨床試験においても同様である。診療は常に疑問に溢れており臨床試験でしか解決しない問題も多い。しかし特に臨床研究法以降臨床的な問題を解決しようとする現実的な医師主導臨床研究(pragmatic trial)は活発に行われているとは言い難く新薬の開発の影で多くの問題は積み残しの状態であると言える。近年はむしろデータベース解析などを用いて臨床試験を避けて因果関係を推定しようとする研究も多いが、例えば診療におけるある介入の有効性は観察研究ではなかなか評価は難しいし、ましてやヒストリカルコントロールでは比較そのものがfairで無くなる。しかしpragmatic trialには症例集積など多くの乗り越えならなければならないハードルがあり、訳のわからない複合エンドポイントで実施に漕ぎ着けたとしても疑問への答えになってなければ意味がない。そこで本講演では研究計画、研究実施体制から品質管理まで薬剤開発型の研究のコピーではなくあくまでpragmatic trialとしての理想的なデザインや実施体制の構築、患者レジストリを基盤とした試験計画(RCT on Registry)、ゲノム情報などを利用したより有効性が推定される患者(サブグループ)での試験の提案、英国などでおこなわているより患者の負担を減らすRemote Decentralised Clinical Trialについて議論したい。</p>

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臨床的に重要な問題を解決するPragmatic trialの実現に向けて : https://t.co/5Kl1Zs9WnQ

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