著者
川之辺 素一 山本 聡
出版者
長野県水産試験場
雑誌
長野県水産試験場研究報告 (ISSN:02893045)
巻号頁・発行日
no.8, pp.11-14, 2006-03

1.千曲川上流域の本支流で水温上昇と河畔植生との関係を明らかにするため、カバー占有率と温度勾配の関係を調査した。2.実際の温度勾配Aと各河川が仮に開空状態になった場合の温度勾配Bを推定し、昇温抑制係数(A/B)を求めたところ、カバー占右率が高いと昇温抑制係数が小さくなり、河川水温の上昇が抑制されている傾向が認められた。3.カバー占有率が低い易合、昇温抑制係数のばらつきが大きく、河畔植生の昇温抑制効果だけでは補いきれず、イワナ等にとって危険な水温となる可能性があると考えられた。4.河川管理の面から階層について考えた場合、河川の撹乱に対してより安定している高木層によるカバーを保全することが適切と考えられる。

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