著者
ニナ ノコン 藤本 彰三
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.112-120, 2006-03-09

野菜は多くのフィリピン人にとって安価な栄養源であるだけでなく,少数の裕福な人々にとっては,健康的な生活を送るための重要な食物の一つである。この少数の裕福な人々が,フィリピンにおいてニッチマーケットである有機野菜産業を支えている。有機野菜の需要動向を検討するため,我々はマニラにおけるホテルやレストランなどの外食産業と一般消費者の有機野菜需要について,2002〜2003年に質問票及びインタビュー調査を実施した。調査対象はホテル・レストランが11軒,一般消費者が118人,スーパーが7軒,及び有機農産物を販売する4つの市場である。本研究の主な成果は,以下の通りである。(1)主要なホテルやレストランは有機野菜を購入しないが,一般消費者は購入する可能性が高い ; (2)有機農産物市場で売られる75種類の野菜のうち,ニンジンが総量の30%を占めた ; (3)中型サイズのニンジン,普通サイズのトマト,たまねぎ,中型サイズのジャガイモは,価格変動への弾力性が大きい。それは安定供給による価格低下が可能となれば,需要は増加する可能性があることを意味する ; (4)ガン患者やガン予防のために,ニンジンはセロリと一緒にジュースとして消費されることが多いと言われている点を,両者の交差価格弾力性の計測結果から明らかにした。

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こんな論文どうですか? フィリピンにおける有機野菜需要の研究-マニラにおける外食産業と一般消費者を事例として-(ニナノコンほか),2006 http://id.CiNii.jp/eSYtE

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