著者
若松 謙一 東 孝行 神門 達也
出版者
鹿児島県農業試験場
雑誌
鹿児島県農業試験場研究報告 (ISSN:03888215)
巻号頁・発行日
no.34, pp.1-14, 2006-03

水稲新品種「彩南月」は,普通期栽培用晩生の低アミロース米品種として鹿児島県農業試験場において育成し,2004年11月に鹿児島県の適品種に採用された.「彩南月」は1997年,晩生,多収,低アミロースを目標に,低アミロースの「彩」を母,晩生で良食味の「KG36(南海52号/コシヒカリ)」を父として交配を行った組合せに由来し,2005年1月に品種登録を申請した.「彩南月」は,「はなさつま」と比較して出穂期で1日,成熟期で2日遅い"晩生の晩"に属する.稈長は「はなさつま」と同程度で,穂長はやや短いが,穂数はやや多く,収量性は「はなさつま」と同程度で高い.草型は"偏穂数型"で,耐倒伏性は「柔小町」より強く「はなさつま」並の"強"である.登熟温度が高くなると低アミロース品種特有の白濁を生じるが,「柔小町」に比べてアミロース含有率はやや高く,玄米の白濁は少ない傾向にある.食味は,「彩南月」単独では粘りが強すぎることともち臭により総合評価は劣るが,「彩南月」をブレンドすることによってベース品種(ブレンドされる品種)の外観・粘りが向上する.

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