著者
伊藤 淳子 東 孝行 宗森 純
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.1528-1540, 2015-06-15

本研究では,発想のテーマに関する知識が乏しいユーザを対象とし,アイディア出しが停滞した際,テーマに関連した単語を提示して新たな連想のきっかけを与え,柔軟性と流暢性を向上させる発想支援システムを提案する.発想のテーマに関連したテキスト情報をウェブ上から事前に収集し,共起度をもとに単語をクラスタに分類する.システムは,ブレインストーミング中のユーザが入力したアイディアに含まれる単語がどのクラスタに含まれるかを検索し,共起度の低いクラスタから単語を選択し,ヒントとして提示する.就職活動に関するテーマを与えヒント提示機能のないシステムとの比較実験を行った結果,提案システムにおいてアイディアの数が1.28倍に増加した.また,実験で得られたアイディアを就職活動の進捗段階に基づき9項目に分類したところ,ヒント提示機能を利用した場合は7.7項目,利用しない場合は6.4項目においてアイディアが得られた.このことから,提案システムに多様な発想を促す可能性があることが確かめられた.
著者
若松 謙一 東 孝行 神門 達也
出版者
鹿児島県農業試験場
雑誌
鹿児島県農業試験場研究報告 (ISSN:03888215)
巻号頁・発行日
no.34, pp.1-14, 2006-03

水稲新品種「彩南月」は,普通期栽培用晩生の低アミロース米品種として鹿児島県農業試験場において育成し,2004年11月に鹿児島県の適品種に採用された.「彩南月」は1997年,晩生,多収,低アミロースを目標に,低アミロースの「彩」を母,晩生で良食味の「KG36(南海52号/コシヒカリ)」を父として交配を行った組合せに由来し,2005年1月に品種登録を申請した.「彩南月」は,「はなさつま」と比較して出穂期で1日,成熟期で2日遅い"晩生の晩"に属する.稈長は「はなさつま」と同程度で,穂長はやや短いが,穂数はやや多く,収量性は「はなさつま」と同程度で高い.草型は"偏穂数型"で,耐倒伏性は「柔小町」より強く「はなさつま」並の"強"である.登熟温度が高くなると低アミロース品種特有の白濁を生じるが,「柔小町」に比べてアミロース含有率はやや高く,玄米の白濁は少ない傾向にある.食味は,「彩南月」単独では粘りが強すぎることともち臭により総合評価は劣るが,「彩南月」をブレンドすることによってベース品種(ブレンドされる品種)の外観・粘りが向上する.