著者
長坂 晶子 長坂 有 鈴木 玲
出版者
北海道立林業試験場
雑誌
北海道林業試験場研究報告 (ISSN:09103945)
巻号頁・発行日
no.45, pp.9-20, 2008-03
被引用文献数
2

生育環境が厳しい道路法面において、木本緑化の確実性を向上させ、かつより多くの道産樹種について法面緑化への適用可能性を調べることを目的として、北海道内に自生する17種の木本植栽試験を行った。3年後の生残率と相対樹高成長率(RHGR)によって法面への適応性を検討したところ、裸苗・ビニルポット苗・紙ポット苗の中では裸苗・ビニルポット苗で良い活着が得られた。3年後生残率とRHGRの関係から、生残率75%以上、RHGRが0.2以上の樹種(タニウツギ、アキグミ、ムラサキシキブ、キタゴヨウ、イボタノキ、エゾヤマハギ)は緑化材料として大いに期待できる樹種と判断された。また急斜面という立地を考えれば、多幹になりやすい樹種(タニウツギ、ムラサキシキブ、アキグミ、ヒメヤシャブシ、エゾヤマハギ)によるグランドカバーとしての機能も今後期待できるだろう。本試験により北海道南部の郷土樹種としては、ムラサキシキブ、キタゴヨウ、ワタゲカマツカが新たな緑化材料として活用できる可能性が示唆された。

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