著者
大谷 行輝 廣政 幸生
出版者
明治大学農学部
雑誌
明治大学農学部研究報告 (ISSN:04656083)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.119-136, 2009-03

本論の目的は、ガーデニング向け肥料の市場構造を明らかにし、食品循環資源の肥料化によって造られた肥料のマーケティング戦略を構築することにある。肥料市場は農家向けとガーデニング向けの2つに分けることができこと、ガーデニング肥料の流通はホームセンターが主となっていることを指摘した。本論においては、2つの課題を設定した。一つは店頭にある肥料の属性と肥料購入者の意向との関係を考察すること。もう一つは、循環型社会形成を促進するために、食品廃棄物あるいは食品汚泥によって造られたガーデニング向け肥料のマーケティング戦略を具体的に作成することある。本論の研究手法は、調査データを元にしたクロスセクション分析であり、分析手法として数量化III類を用いた。得られた主要な結果は以下の通りである。1)店頭のガーデニング向け肥料は属性(ネーミシグ、説明文)と価格によって、5グループに分類される。2)肥料購入者の意向は、決まった製品があるか否かによって2グループに分類される。3)1)と2)の分析結果とコトラーのマーケティング理論を組み合わせることによって、食品汚泥から造られる肥料のターゲットは1)の結果のIIとIIIのグループにあること。重要なポイントは少し高めの価格を設定することと食品廃棄物から造られた肥料成分を含んでいることを強調することである。

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