著者
松下 浩幸
出版者
明治大学
雑誌
明治大学農学部研究報告 (ISSN:04656083)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.203-206, 2007-02-28
著者
福田 恭礼 市田 知子
出版者
明治大学農学部
雑誌
明治大学農学部研究報告 (ISSN:04656083)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.1-21, 2017-02

2011年3月11日東日本大震災に伴う福島第一原発事故により福島県相馬郡飯舘村は,現在なお全村避難を強いられている。本稿では,飯舘村から避難し,その避難先で営農を再開している4つの事例に焦点を当てる。その上で,避難から営農再開までの経緯,および営農再開を可能にした要因を明らかにし,将来,帰村した際の地域の復興,営農再開の可能性を考察する。本稿の第一義的な意義は震災から5年余を経た現在,営農再開者の実態を記録することにある。環境社会学の被害構造概念を援用すると,原発被災者の置かれた状況は「個人化」であるとされる。飯舘村では,原発事故前には農家が約960世帯あったが,避難後の営農再開状況が把握できたのは約20世帯である。筆者らはそのうちの4つの事例の分析を行った。分析の結果,営農再開を可能にした要因として,個々の置かれた状況に合った営農タイプの選択,避難先での農地の確保,再開に当たって必要となる資金の確保,さらに損害賠償の4つが挙げられる。営農タイプの選択に際しては,非経済的要因も関わっている。帰村後,営農再開の可能性が高い部門は施設園芸(野菜,花卉),畜産(繁殖牛)であると推察される。飯舘村が今後,地域復興を実現するためには,長期的に農業を支援し,再建するための仕組みを作ることが重要である。それぞれの営農再開タイプに沿って,農地や資金面の支援,損害賠償を継続的に行う必要がある。研究の側としては,被災者が現在なお「個人化」した状況にあることを認識しつつ,継続的に注視していくことが重要である。
著者
田中 佩刀
出版者
明治大学農学部
雑誌
明治大学農学部研究報告 (ISSN:04656083)
巻号頁・発行日
no.27, pp.73-89, 1971-03
著者
丸山 公明 M.B. ソロモン J.A. プラウドマン
出版者
明治大学
雑誌
明治大学農学部研究報告 (ISSN:04656083)
巻号頁・発行日
vol.131, pp.37-46, 2002-09-25

ソマトスタチンの分泌阻害剤であるシステアミンをラージホワイト種♂七面鳥に投与した場合の血漿中成長ホルモン濃度,成長速度,体組成に及ぼす影響を探索した。システアミンの成長ホルモン分泌への影響を調べるために,システアミン塩酸塩を300mg/kgの用量にて,〓嚢にストマックチューブを用いて投与したが,投与後24時間では血漿成長ホルモン濃度には変化が見られなかった。食餌中のシステアミンの成長速度と体組成への影響を調べるために,8週令でシステアミン塩酸塩を基礎飼料中に0%,0.12%,0.24%の割合で添加し,16週令まで体重と飼料摂取量を各週測定した。血漿中成長ホルモンは8週令,12週令,16週令で測定し,16週令で七面鳥を屠殺し,体全体,胸,腿,脛の化学組成を決定した。食餌中のシステアミンは16週令で血漿中の成長ホルモンを増加させ(P<0.05),飼料摂取量を減少させた(P<0.05)。体組成では,脂肪は減少し(P<0.05),水分が増加したが(P<0.05),タンパク質には変化がなかった。胸,腿,脛の化学組成には変化は認められなかった。
著者
長澤 弘
出版者
明治大学
雑誌
明治大学農学部研究報告 (ISSN:04656083)
巻号頁・発行日
vol.128, pp.21-38, 2001-11-03

Mental and physical imbalances are sometimes reflected by abnormal behaviour and cause the diseases, especially those with long latency like cancers. Thus, adjustment of these imbalances or approach of hypo- or hyper-function to normal levels is a most potent method for prevention of these disorders. In this paper, the results obtained in this laboratory on the effects of Sasa Health^<(R)>, a medicinal preparation from bamboo grass leaf extract (S), on behaviour and mammary tumourigenesis in mice are briefly reviewed. Spontaneous motor activity declined by gonadectomy was elevated by S. By contrast, the stimulation of activity by restricted feeding was significantly decreased by S. S also suppressed the development and growth of mammary tumours. Associated with these, S modulated plasma and urine component levels, potentiated thymic immune function and superoxide dismutase activity and decreased plasma prolactin level. All findings revealed that S can normalize organisms through its modulation of general metabolism and stimulation of immune function, through which it modifies the behaviour and prevents mammary tumourigenesis. Based on body weight change and food and water intakes as well as external appearance, few deleterious side-effects of S was confirmed. Sasa Health^<(R)> is concluded to be a most potent and safe medicine for prevention and therapy of mental and physical disorders and, thus, for the maintenance of health, through its normalization effects.
著者
廣政 幸生 中川(川手) 奈緒子
出版者
明治大学農学部
雑誌
明治大学農学部研究報告 (ISSN:04656083)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.43-53, 2011-12

本稿の課題は消費者が食品の安心をどのように捉えているかを明らかにすることである。課題は、第1に、社会心理学の概念、理論を援用し、山岸が規定する安心、信頼に関するキーワードを基に安心の概念整理を行い、食品における安心の構成要素を検討し構成要素がどう安心に繋がるのかを明らかにすること、第2に、食品に対する安心の評価と構成を実証的に検討することである。安心に概念を整理し、その要素を検討すると、安心は、「信頼」と「漠然とした安心感」の2つの要素から形成され、その下位要素として、「信頼」は「表示」、「情報」、「コミットメント」。「漠然とした安心感」は「経験」、「イメージ」の5要素から構成される。消費者アンケートの結果より、安心と評価する食品を安心だと思う理由として圧倒的なのは「国産品」であること、次いで、「食品表示」であった。クラスター分析の結果から、「表示」、「情報」、「コミットメント」は同じクラスターを形成し、「経験」、「イメージ」は別のクラスターを形成しており、仮説の安心の構造図は妥当である。また、野菜における安心の構造は性別によって異なっていることが明らかとなった。
著者
倉本 宣 本田 裕紀郎 八木 正徳
出版者
明治大学
雑誌
明治大学農学部研究報告 (ISSN:04656083)
巻号頁・発行日
vol.123, pp.27-32, 2000-07-30
被引用文献数
12 9

We reviewed the habitats of plants which grow on shingle river beds, based on available literature. They consist of endemics on shingle river beds and plants which grow in dry areas or grasslands. In the floodplain of the Tama River, endemics on the shingle river bed, Aster kantoensis and Ixelis tamagawaensis have been decreasing rapidly. A conservation plan for endemics should be developed and put into practice soon.
著者
大谷 行輝 廣政 幸生
出版者
明治大学農学部
雑誌
明治大学農学部研究報告 (ISSN:04656083)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.119-136, 2009-03

本論の目的は、ガーデニング向け肥料の市場構造を明らかにし、食品循環資源の肥料化によって造られた肥料のマーケティング戦略を構築することにある。肥料市場は農家向けとガーデニング向けの2つに分けることができこと、ガーデニング肥料の流通はホームセンターが主となっていることを指摘した。本論においては、2つの課題を設定した。一つは店頭にある肥料の属性と肥料購入者の意向との関係を考察すること。もう一つは、循環型社会形成を促進するために、食品廃棄物あるいは食品汚泥によって造られたガーデニング向け肥料のマーケティング戦略を具体的に作成することある。本論の研究手法は、調査データを元にしたクロスセクション分析であり、分析手法として数量化III類を用いた。得られた主要な結果は以下の通りである。1)店頭のガーデニング向け肥料は属性(ネーミシグ、説明文)と価格によって、5グループに分類される。2)肥料購入者の意向は、決まった製品があるか否かによって2グループに分類される。3)1)と2)の分析結果とコトラーのマーケティング理論を組み合わせることによって、食品汚泥から造られる肥料のターゲットは1)の結果のIIとIIIのグループにあること。重要なポイントは少し高めの価格を設定することと食品廃棄物から造られた肥料成分を含んでいることを強調することである。