著者
黒川 洋行
出版者
関東学院大学経済研究所
雑誌
経済系 : 関東学院大学経済学会研究論集 (ISSN:02870924)
巻号頁・発行日
vol.249, pp.36-55, 2011-10

ヴァルター・オイケンは,オルド自由主義によるドイツの代表的経済学者である。彼の業績は,歴史的アプローチと数理的アプローチの二元論を超克して,独自の経済秩序理論を構築したことである。その中心的な理念的概念は,「競争秩序」と呼ばれ,そこでは,機能的かつ人間にふさわしい自由な経済秩序が追求されている。そして競争秩序の構築と維持のための経済政策の諸原理が体系的に提示されるとともに,その政策主体としての国家の積極的役割が是認されている。本稿では,オルドリベラルなオイケンの経済学の全体構造を明らかにすることを試みる。

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