著者
瀬戸口 昌也
出版者
別府大学会
雑誌
別府大学紀要 (ISSN:02864983)
巻号頁・発行日
no.53, pp.109-119, 2012-02

本論文は、ディルタイの「体験」概念の特徴である「体験の実在性」と「体験の有意味性」の関係について考察したものである。ディルタイにとって体験とは、心的状態の「知覚化」と、事物や人物、出来事の「内面化」という2つの相反する方向を持つ態度として現れる。両者の相互関係を通して体験は形態化されるが、形態化の際の素材の抵抗経験により、体験の実在性が意識されるとともに、意味カテゴリーが生じることを明らかにした。

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