著者
小林 健彦
出版者
新潟産業大学東アジア経済文化研究所
雑誌
新潟産業大学経済学部紀要 (ISSN:13411551)
巻号頁・発行日
no.40, pp.79-98, 2012-07

日本列島の中では、文献史資料を駆使して確認を取ることが可能な古代以降の時期に限定してみても、幾多の自然災害―気象災害、地震災害や津波、火山噴火、そして伝染病の蔓延等―に見舞われ、その度に住民等はそれらへの対処を迫られた。北陸、新潟県域に於いても、当該地域特有の気象条件より齎されるものを始めとして、大風、大雨、雪害、洪水、旱魃、地震、津波、そして疫病の流行といった災害が発生当時の民衆に襲い懸かっていたのである。しかし、民衆はそれらの災害を乗り越えながら、現在へと続く地域社会を形成して来た。筆者は従前より、当時の人々がこうした自然災害を如何にして乗り越えて来たのかという、「災害対処の文化史」を構築するのに際し、近年、自然災害が頻発している北陸、新潟県域を具体的な研究対象地域として取り上げながら、その検証作業を行なっているところである。本稿では、室町時代の後半期、戦国期に於ける事例の検出と、人々に依る災害対処の手法とに就いて、更に検証作業を進めた内容をここに明らかにするものである。

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小林 健彦 -  北陸、新潟県域の戦国期に於ける災害対処の文化史 : 事例の検出と人々の災害観を中心として http://t.co/DWfR8cXV #CiNii

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