著者
赤坂 亮太
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

自律的なAIの発展にともない、AIが原因となる何らかの問題が生じた際に関係する個人に結果について予見可能性を観念することが困難になってきており、またその行動のアルゴリズムが人間には理解できずブラックボックス化している。そのような状況において、今日の法制度では関係する個人に責任を観念することが難しく、被害者が救済されないなどの問題がある。その解決策の一つとして、AIに法的責任を観念できる法的主体性をもたせて、直接責任を負わせようという考え方がある。本報告においては、我が国の不法行為法と不法行為責任に焦点を絞り、上記のアイデアが不法行為法の目的や機能を満足させることができるか検討した。検討の結果、十分に満足させることは難しく、むしろ既存の無過失責任制度や無過失補償制度を応用することが問題解決としては適しているとの考えに至った。

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