著者
赤坂 亮太
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回 (2018) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1F2OS5a03, 2018 (Released:2018-07-30)

自律的なAIの発展にともない、AIが原因となる何らかの問題が生じた際に関係する個人に結果について予見可能性を観念することが困難になってきており、またその行動のアルゴリズムが人間には理解できずブラックボックス化している。そのような状況において、今日の法制度では関係する個人に責任を観念することが難しく、被害者が救済されないなどの問題がある。その解決策の一つとして、AIに法的責任を観念できる法的主体性をもたせて、直接責任を負わせようという考え方がある。 本報告においては、我が国の不法行為法と不法行為責任に焦点を絞り、上記のアイデアが不法行為法の目的や機能を満足させることができるか検討した。検討の結果、十分に満足させることは難しく、むしろ既存の無過失責任制度や無過失補償制度を応用することが問題解決としては適しているとの考えに至った。
著者
赤坂 亮太
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

自律的なAIの発展にともない、AIが原因となる何らかの問題が生じた際に関係する個人に結果について予見可能性を観念することが困難になってきており、またその行動のアルゴリズムが人間には理解できずブラックボックス化している。そのような状況において、今日の法制度では関係する個人に責任を観念することが難しく、被害者が救済されないなどの問題がある。その解決策の一つとして、AIに法的責任を観念できる法的主体性をもたせて、直接責任を負わせようという考え方がある。本報告においては、我が国の不法行為法と不法行為責任に焦点を絞り、上記のアイデアが不法行為法の目的や機能を満足させることができるか検討した。検討の結果、十分に満足させることは難しく、むしろ既存の無過失責任制度や無過失補償制度を応用することが問題解決としては適しているとの考えに至った。
著者
赤坂 亮太
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.2I4OS15b02, 2019 (Released:2019-06-01)

本報告では、AIが法制度に影響を与える場面の、特に人間の意思が問題となる契約に着目し、その解決手法としてAIを代理法における代理人として扱う考え方について検討する。AIが法制度に影響を与える理由として、近代以降の法制度が個人の自由意思と自律に基づき主体としての人間と客体としての非ー人間という区別が、AIの在り方となじまないことを議論する研究者がいる。このような考え方をもとに民法領域を考えてみると、特に人間の意思にもとづいて法律効果が生じる契約は重大な問題を孕んでいる。本報告ではこの問題について米国において議論がみられる代理法における代理人としてAIを解釈する学説を検討した。この説は一定の批判があるものの、ローマ法における奴隷や企業の応用的な概念で社会実装の可能性はある。しかしながら、日本法への導入はなお困難が伴う。