著者
亀井 淳 佐々木 真理 赤坂 真奈美 千田 勝一
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.348-352, 2002-07-01 (Released:2011-08-10)
参考文献数
20

Epstein-Barr (EB) ウイルス脳症に起因する不思議の国のアリス症候群において, これまで頭部画像検査による特異的な異常は記載されていない.今回, EBウイルス脳症に罹患して本症候群に特徴的な身体像の奇妙な変形, 幻視, 離人症状を呈し, 頭部CTで異常がなく, MRIの T2強調像で大脳灰白質に広範かつ散在性の高信号と腫脹を認めた10歳の女児を経験した.このM RI所見は1週間後に改善した.EBウイルス脳炎・脳症で視覚性錯覚や精神症状を示した症例の中には, 本症候群が診断名としては用いられていないが, MRIの異常を一過性に認めたとする報告がある。したがって, 本症候群を形成する症状がみられた場合は, タイミングを逃さずにMRI検査を行う必要があると考えられた.
著者
白倉 正博 亀井 淳 赤坂 真奈美 中軽米 美里 小山 耕太郎
出版者
岩手医学会
雑誌
岩手医学雑誌 (ISSN:00213284)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.183-199, 2019 (Released:2019-12-21)
参考文献数
22

知的に正常な早産極低出生体重児の家庭生活状況と自尊心および親子関係について調査した.対象は2002年4月から2011年3月に当院新生児集中治療室に入院し,就学前の知能検査で正常知能が確認され,2017年4月の時点で学齢期にある108人である.自尊心はPopeの子ども用5領域自尊心尺度で評価し,結果はおおむね良好であった.自尊心評価が完遂できた96人の各尺度を従属変数とし,周産期情報およびアンケート情報の計16項目を独立変数とした重回帰分析を行った結果,出生体重,呼吸窮迫症候群,脳室周囲白質軟化症,調査時年齢と有意な関連を認めた.親子関係も対象の殆どが良好であった.自尊心尺度と親子関係は子からみた母子関係に相関する項目が多く,特に男子の家族尺度が「被拒絶感」と強い負の相関 ‹r = −0.7471, p< 0.001› があった.一方,自尊心と「心理的侵入」,「厳しいしつけ」および「達成要求」は殆ど相関しなかった.
著者
亀井 淳 佐々木 真理 赤坂 真奈美 千田 勝一
出版者
脳と発達
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.348-352, 2002-07-01
参考文献数
20

Epstein-Barr (EB) ウイルス脳症に起因する不思議の国のアリス症候群において, これまで頭部画像検査による特異的な異常は記載されていない.今回, EBウイルス脳症に罹患して本症候群に特徴的な身体像の奇妙な変形, 幻視, 離人症状を呈し, 頭部CTで異常がなく, MRIの T<SUB>2</SUB>強調像で大脳灰白質に広範かつ散在性の高信号と腫脹を認めた10歳の女児を経験した.このM RI所見は1週間後に改善した.EBウイルス脳炎・脳症で視覚性錯覚や精神症状を示した症例の中には, 本症候群が診断名としては用いられていないが, MRIの異常を一過性に認めたとする報告がある。したがって, 本症候群を形成する症状がみられた場合は, タイミングを逃さずにMRI検査を行う必要があると考えられた.