著者
佐々木 雅發 Masanobu Sasaki その他 早稲田大学
出版者
フェリス女学院大学国文学会
雑誌
玉藻 (ISSN:02887266)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.28-43, 2000-05

福田準之輔先生御退任記念号
著者
奥原 孝幸:筆頭著者 鈴木 久義:その他 作田 浩行:その他 増山 英理子:その他 水野 高昌
出版者
昭和大学保健医療学部
雑誌
昭和大学保健医療学雑誌 (ISSN:1349029X)
巻号頁・発行日
no.10, pp.35-44, 2012-08 (Released:2014-10-10)

作業療法に参加している入院統合失調症患者188名を対象に、「作業療法に対するイメージ」の調査を6ヵ月間隔で2回行い、2回とも回答した71名の中から特徴的なイメージをもっている23名を抽出し、そのイメージの要因を探るために個別インタビューを行った。結果、作業療法に対してポジティブなイメージをもっている患者では、病状が安定しており、穏やかで普段からポジティブイメージを想像させる言動が多かった。一方ネガティブなイメージをもっている患者では、病状や気分の不安定さ、不機嫌さ、思考の偏りや狭さなどがみられた。ネガティブイメージの背景にはイライラ感や表情・思考の硬さなどがあり、さらに、その患者特有の心理的要素が影響しているものと考えられた。
著者
埜崎 都代子:筆頭著者 宮崎 友晃:その他 中館 俊夫:責任著者
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.413-420, 2014-08 (Released:2015-11-06)

作業療法の受療者に適切な作業選択をするための基礎的情報を得るために、臨床でよく用いられる「ぬり絵(以下PA)」作業が対象者に与える生理的・心理的作用について、ストレス課題と想定される「内田クレペリン精神検査(連続加算課題、以下CA)」との比較において検討した。女性24名(平均21歳)を対象にPAとCAという2つの課題を実施した。前安静20分、作業前半15分、休憩5分、作業後半15分、後安静20分、計75分間、同一時間帯、場所にて1課題ずつ2日間、実施した。実験中、5分毎の唾液αアミラーゼ(以下SAmy)、毎秒、心拍と脳血流量(酸素化ヘモグロビン濃度:oxy-HB)を継時的に測定した。また日本版POMS(Profile of Mood States)を用いて作業前後の気分を測定した。測定値平均の経時的変化と課題間の変化を分散分析法で、安静時と作業時の平均値を対応のあるt検定で、POMSはWilcoxonの符号付き順位和検定で差を検定した。有意水準は5%とした。その結果、心拍・脳血流量は作業中の変化はCAが大きいが、PAとCAに有意差はなく、両課題とも安静時より作業中は高値を示す類似した変化だった。一方、SAmyはPAとCAで異なる経時的変化を示し、両課題間には有意差が見られた。CAは安静時に対して作業中が有意に高値を示したが、PAは有意差がなく作業中低値の傾向もみられた。POMSによる気分の変化ではPAは「緊張・不安」「怒り・敵意」「活気」「抑うつ・落ち込み」「混乱」に有意な低下がみられた。CAは「緊張・不安」が高値となる傾向が示され、「活気」「混乱」のみ有意な低下を示した。以上から、自発的なPA作業が、CAにおける半強制的な計算作業と同程度の酸素要求量を持つ脳活動であるにもかかわらず、PA作業は心理的ストレスが認められない課題であることが示唆された。(著者抄録)