著者
大木 友美:筆頭著者 水谷 郷美 城丸 瑞恵
出版者
昭和大学保健医療学部
雑誌
昭和大学保健医療学雑誌 (ISSN:1349029X)
巻号頁・発行日
no.10, pp.45-49, 2012-08

A看護系大学では、成人看護学実習(周手術期)における学生の学びを深め共有させるために、15日間ある実習期間中の10日目に学内でデモンストレーション(以下デモ)「個別性を活かした看護援助」を実施している。今回、2010年9月~2011年1月に実施した学生102名に質問紙調査を行い、「デモ実施までの準備状況」「デモでの学び」「デモの必要性」「デモ実施の困難性」などについて回答を求めた。結果、準備状況については多くの学生がデモ前に周手術期の看護ケアを経験する機会を得ていた。デモによる学びは約9割の学生が実感していたが、実習期間中にデモが必要であると答えた学生は約4割にとどまった。デモ実施の困難性については、「とても難しい」と答えた学生が3%、「やや難しい」が38%、「簡単」が4%、「どちらとも言えない」が56%であった。「とても難しい」「やや難しい」と答えた群(以下A群)と、「簡単」「どちらとも言えない」と答えた群とで、デモ実施までの準備期間を比較したところ、A群のほうが有意に長かった。
著者
奥原 孝幸:筆頭著者 鈴木 久義:その他 作田 浩行:その他 増山 英理子:その他 水野 高昌
出版者
昭和大学保健医療学部
雑誌
昭和大学保健医療学雑誌 (ISSN:1349029X)
巻号頁・発行日
no.10, pp.35-44, 2012-08 (Released:2014-10-10)

作業療法に参加している入院統合失調症患者188名を対象に、「作業療法に対するイメージ」の調査を6ヵ月間隔で2回行い、2回とも回答した71名の中から特徴的なイメージをもっている23名を抽出し、そのイメージの要因を探るために個別インタビューを行った。結果、作業療法に対してポジティブなイメージをもっている患者では、病状が安定しており、穏やかで普段からポジティブイメージを想像させる言動が多かった。一方ネガティブなイメージをもっている患者では、病状や気分の不安定さ、不機嫌さ、思考の偏りや狭さなどがみられた。ネガティブイメージの背景にはイライラ感や表情・思考の硬さなどがあり、さらに、その患者特有の心理的要素が影響しているものと考えられた。
著者
小笠原 春香:筆頭著者 大木 友美 井原 緑
出版者
昭和大学保健医療学部
雑誌
昭和大学保健医療学雑誌 (ISSN:1349029X)
巻号頁・発行日
no.11, pp.80-86, 2013-03

消化器癌術後患者への食事指導の実際と看護師の認識を明らかにすることを目的に、A病院の消化器外科病棟に勤務する臨床経験3年以上の看護師5名を対象に半構成的面接を行った。内容分析の結果、消化器癌手術後の食事指導の実際として、【患者に合わせた時期とパンフレットの使用】【患者の気持ちに寄り添った指導】【患者に合わせた指導場面の設定】などのカテゴリーが抽出された。また、食事指導に対し看護師は、業務の中で【優先業務は生命・安全】と考えている一方で、【食事指導への思いと現実のギャップ】や【したいけどできない現実に対する後悔】が生じており、満足のいく食事指導ができない《介入できないジレンマ》を感じていることが分かった。