著者
定延 利之 ショモディ ユーリア ヒダシ ユディット ヴィクトリア エシュバッハ=サボー アイシュヌール テキメン ディルシャーニ ジャヤティラカ ドゥリニ ディルシャーラー=ジャヤスーリヤ 新井 潤 昇地 崇明 羅 米良 アントニー スサイラジ 柳 圭相 朴 英珠
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.113-128, 2018-09-30 (Released:2018-12-26)
参考文献数
40
被引用文献数
1

本稿は,音声言語が音声言語であるがゆえに有しがちな「非流ちょう性」に対して文法論の観点から光を当てるものである.非流ちょう性については,形態論の複雑度に基づく言語差がこれまでに指摘されている.本稿はそれとは別に,言語の膠着性の関与の可能性を指摘する.我々の膠着性仮説によれば,高い膠着性は形態素内部での延伸型続行方式のつっかえを許容しやすい.日本語の他,韓国語・シンハラ語・タミル語・中国語・トルコ語・ハンガリー語・フランス語の観察を通して,この仮説を提案する.