著者
アグレバンテ ジヨセフイン 松井 年行 北川 博敏
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.441-444, 1991
被引用文献数
7

60%エタノール(10ml/12果実)処理でバナナの追熟が2~3日促進された.しかしながら,1000ppmエチレンでは,もっと急速な果皮の色調,糖,有機酸の変化をもたらした.HPLCでショ糖,グルコース,フラクトースを同定した.追熟でこの三つの糖すべてが増大し,ショ糖は追熟の全段階で一番含量が高かった.ショ糖の増大は,グルコース,フラクトースよりも先行し,グルコースーフラクトースの割合は,追熟期間中すなわち初期(緑色)から貯蔵の9日目又は14日目まで,ほぼ一定であった.リンゴ酸とクエン酸は緑熟果(カラーインデックス1)で同じ含量であったが,リンゴ酸は追熟果で初期段階の2~3.6倍に増大し,含量の多い有機酸となった.<BR>クエン酸は過熟果や老化果でだけ増大した.