著者
板山 昂 Itayama Akira イタヤマ アキラ
出版者
大阪大学大学院 人間科学研究科 対人社会心理学研究室
雑誌
対人社会心理学研究 = Japanese journal of interpersonal and social psychology (ISSN:13462857)
巻号頁・発行日
no.18, pp.165-171, 2018-03

資料本研究の目的は、厳罰傾向である厳罰志向性の高低による情状酌量の余地の程度、および量刑の重さの差異を検討するとともに、厳罰志向性と情状酌量の余地の程度、量刑判断における世代差を検討することであった。結果として、大学生と保護者で厳罰志向性の強さに差異はみられなかったものの、厳罰志向性は量刑判断に大きな影響を与えること、大学生と保護者の間で量刑の重さには大きな差が生じることが明らかとなった。本研究では、幼女が無差別に殺害される事件と介護疲れ殺人を評価対象としており、保護者は幼女が殺害された事件では被害児童の親に、介護疲れ殺人ではわが子に介護される(または自分が親を介護する)ことを考え(視点取得)、量刑の重さを判断したものと考察された。