著者
ウェルズ 恵子
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

1)マイケル・ジャクソンの業績から黒人文化の特質を指摘。2)奴隷制度の中で発達した口頭文化の具体的内容を概観。3)動物民話が暴力と笑いに満ち、弱者が強者をくじく物語である一方勧善懲悪の物語ではないことを詳細に分析。4)主流の価値観を逆転させた行動様式が黒人ヒーローの活躍譚にあること。5) 奴隷時代の生活上の喜びや、主人への暗黙の批判、逃亡を歌う屈折した歌を分析。6) 南部刑務所に残ったハンマーソングの歌詞の変遷に、自我のあり方や世界観の変化を指摘。7) 黒人霊歌からゴスペルへの変遷を辿り、神や救いのイメージの変化を指摘。8) 抑うつ心理からの脱出方法として、ブルーズの歌詞様式が発展したこと。
著者
ウェルズ 恵子
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、アメリカ黒人文学と音楽文化におけるイスラム教の影響を検討する目的であったが、イスラム教よりも黒人の民間宗教的世界観や口頭文化の伝統に根ざしつつ、アメリカ社会からの圧力に応じたり抵抗したりする形で変容を繰り返してきているということが明らかになった。そこで主に、(1)人種差別撤廃運動とイスラム教のヒップホップ世代との関連、(2)奴隷時代からの黒人音楽文化の特色とラップ文化の特色、(3)黒人口頭文化の諸様式、の3点を追求することとなった。細部について詳細の研究が課題として残った。