著者
野上 建紀 エラディオ・テレロス
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

アジア・太平洋海域の有田焼交易ネットワークについて、考古学的な研究によって明らかにした。近世の有田焼がいわゆる「鎖国」政策下にオランダ船や唐船によって長崎からアジアやヨーロッパへ輸出されていたことは知られている。その一方、長崎で交易が許されなかった船も有田焼を運んでいたことはあまり知られていない。太平洋を越えて、アジアとアメリカを結んでいたガレオン貿易を担ったスペイン船もその一つであった。今回の研究により有田焼が中米・カリブ海周辺にも広く流通し、ペルーやコロンビアなど南米にまで輸出されていたことが明らかになった。特に芙蓉手皿とよばれる皿類やチョコレートカップが広く流通していたこともわかった。