著者
野上 建紀
出版者
長崎大学多文化社会学部
雑誌
多文化社会研究 = Journal of Global Humanities and Social Sciences, Nagasaki University (ISSN:21891486)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.103-116, 2023-03-23

This research note examines the distribution route of Hizen porcelain brought to Spain based on Hizen porcelain artifacts found in Spain. The history of Hizen porcelain started in the early of 17th century. And it was began to be exported overseas in the middle of the 17th century, and many products were shipped to Europe. Hizen porcelain was exported to Spain from the late 17th century to the early 18th century. Most of them were Arita porcelain. China's maritime ban policy has greatly affected the overseas export of Hizen porcelain, which has changed the distribution route. Hizen porcelain was most likely transported from Manila via Central America to Spain in the latter half of the 17th century. And from the end of the 17th century to the first half of the 18th century, Hizen porcelain was most likely imported from other countries in Europe.
著者
野上 建紀 エラディオ・テレロス
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

アジア・太平洋海域の有田焼交易ネットワークについて、考古学的な研究によって明らかにした。近世の有田焼がいわゆる「鎖国」政策下にオランダ船や唐船によって長崎からアジアやヨーロッパへ輸出されていたことは知られている。その一方、長崎で交易が許されなかった船も有田焼を運んでいたことはあまり知られていない。太平洋を越えて、アジアとアメリカを結んでいたガレオン貿易を担ったスペイン船もその一つであった。今回の研究により有田焼が中米・カリブ海周辺にも広く流通し、ペルーやコロンビアなど南米にまで輸出されていたことが明らかになった。特に芙蓉手皿とよばれる皿類やチョコレートカップが広く流通していたこともわかった。
著者
櫻庭 美咲 荒川 正明 野上 建紀 大橋 康二 西田 宏子 藤原 友子
出版者
神田外語大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では、アウグスト二世(通称アウグスト強王)が、「日本宮」のために収集した大規模な陶磁コレクション(ドレスデン国立美術館磁器コレクション館所蔵)の悉皆調査を軸に、研究を進めた。同コレクションの総目録編纂にむけた大規模な国際共同プロジェクトへの参加を通じ、日本磁器約800点を熟覧して得た結果をデータベース化し、総目録の英文作品解説約440点分を完成、文様の図像研究にも知見を得ることができた。これらは総目録の一部として公開予定である。受容史的な観点からみた「日本宮」における日本表象の変遷についても、建築図面等の文献研究・磁器作品研究の両面から確認することができた。