著者
田中丸 治哉 エラミン カリド アリ エルタイブ 多田 明夫 鳥井 清司
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.30, 2017

洪水灌漑(spate irrigation)は,季節河川における雨季の洪水を堰と水路によって圃場に導水する伝統的な灌漑方法である.本報告では,スーダン東部に位置するガッシュデルタの洪水灌漑地区を研究対象としている.まず,衛星リモートセンシングに基づくエネルギー収支法(SEBAL)を適用し,洪水灌漑圃場における蒸発散量の空間分布を推定した.その結果,灌漑圃場内で蒸発散量が大きく変動することが示された.次いで,DEMによる地形解析によって,地表の凹凸の程度を表す地形指標が計算された.灌漑期間中の総蒸発散量の標準偏差と地形指標の関係を調べたところ,地表面の凹凸が激しい圃場ほど蒸発散量の変動が大きく,水供給の不均一が生じやすいことが示された.
著者
藤原 洋一 田中丸 治哉 多田 明夫 アダム バシール エラミン カリド
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.31, 2018

スーダン・ガッシュデルタ洪水灌漑地区を対象として、Landsat8画像によって年毎の土地利用(耕作、非耕作、潅木、水体、湿地)を推定した。さらに、作付けパターンの空間的および灌漑ブロック毎の特徴、休閑ローテーションの空間的および灌漑ブロック毎の特徴を調べた。その結果、植生指標にはNDVI、水指標にはNDWIgs1の時系列データを用いることによって、土地利用分類が良好に行えた(正解率94%)。耕作面積は一定ではなく年によって大きく変動し、耕作地面積の変動係数は最上流灌漑ブロック(カッサラ)で最も小さく、下流灌漑ブロックで大きくなる傾向が見られた。休閑ローテーションのパターンを分析したところ、上流の2灌漑ブロック(カッサラ、メカリ)は耕作と休閑を交互に行う2年ローテーションの割合が多いことが分かった。一方、下流の2灌漑ブロック(メタテイブ、ハダリヤ)では、2年間の休閑を行う3年ローテーションが主流であることが示された。