著者
エルナンデス ガライ サンドラ マルチネス ノリエガ ラウル バスケス メディナ ルベン 山口 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.143, pp.43-48, 2009-07-16

本報告では,情報保護のために情報分散法に基づき,誤り訂正符号と組みあわせた,ウェーブレット領域の係数を操作する方式を提案する.通常の信号処理の攻撃に対して耐性を高めるために,透かし情報は近似係数に埋め込まれる.より低いビット誤り率を得るために畳み込み符号を用いた誤り制御を用い,耐障害性を確保するために情報分散法を利用する.この方式は,様々な種類の攻撃をを受けたデータに対して,元信号を用いずに秘密のメッセージを見つけることができる,ブラインド検出を実現している.実験の結果,我々のデータハイディング方式は,聞こえるような音の劣化はなく,64kbpsでのMP3圧縮,ローパスフィルター,サンプリング周波数の変更,雑音の付加などの通常の信号処理の攻撃に対して,よい耐性があることがわかった.