著者
石原 舜三 ゴネフチュク V. G. ゴネフチュク G. A. コロステレフ P. G. サイダイン G. R. セメンジャク B. I. ラトキン V. V.
出版者
資源地質学会
雑誌
資源地質 (ISSN:09182454)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.255-261, 1997-10-31
参考文献数
8
被引用文献数
2

表記地域には古生代,中生代初期と後期の花崗岩.類が重複して産出し,特にグライゼン型錫およびゼノサーマル型多金属鉱化で特徴ずけられる多数の鉱床を伴う.しかし,それら鉱化作用がどの花崗岩に関連するかは,必ずしも明確ではなかった.今回,7錫鉱床と3金鉱床からの22試料について主に変質および鉱脈鉱物のK-Ar年代を求め,次の鉱化年代を得た.Sn:Khinganskoe 91.8 Ma,Merekskoe 85.9Ma,Solnechnoe 86.2Ma,Pravourmiskoe 91.8Ma,Vostochnoe 90.3Ma,Chalba 84.4Ma,Tigrinoe 79.4Ma;Au:Krinichoe 79.4Ma(鉱化前岩脈),76.2Ma(鉱化後岩脈),Askold 83.2 Ma,Maiskoe 57.1Ma.以上の様に白亜紀中期以前の古い花崗岩類に相当する年代は得られず、錫鉱化作用は白亜紀後期の花崗岩活動に伴うものであり,その年代と鉱床の性格は日本の山陽帯のそれぞれと類似する.一方,金鉱床も白亜紀後期,一部で古第三紀の年代を示し,中国地方東部一近畿地方西部の同種鉱床の年代に近い.