著者
スミス・ ネィール
出版者
一般社団法人 人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.51-66, 2000-02-28 (Released:2009-04-28)
参考文献数
35
被引用文献数
2 6

1980年代と1990年代のグローバル化に関する広く行きわたった認識は、資本蓄積の進行に地理的空間がますます関わらなくなっているという考えを助長してきた。多くの公式的な見解とは反して、グローバル化は金融資本の国際化よりも製造資本の国際化に刺激を受けている。グローバル化のもとでは、はるかにより包括的な過程が生じている-それは徹底的な地理的スケールの再構築である。本稿は、資本蓄積が、経済的な状況については国民国家の相対的後退を伴いつつ、グローバル-ローカル関係がますます決定的になる新たな段階に突入していることを論じる。このことにより、グローバルな資本の中核に多くのアジアとラテンアメリカの経済が状況に応じて統合される一方でアフリカと世界中の縁辺化された人々がますます追い払われる、地理的不均等発展の新しいパターンがあらわれている。