- 著者
-
タウンゼント エリザベス
- 出版者
- 日本作業科学研究会
- 雑誌
- 作業科学研究 (ISSN:18824234)
- 巻号頁・発行日
- vol.11, no.1, pp.12-27, 2017-12-20 (Released:2019-04-04)
- 参考文献数
- 42
- 被引用文献数
-
2
社会はあらゆるところで,社会の課題を変換し,減らすことができるように取り組んでいる. 日本,カナダなど高齢者や障害者に優しい地域で,高齢者がよりよく生きる機会を模索している国であっても,多くの国の高齢者は社会の課題と考えられている. 作業のレンズは,人生の最期における意味のある作業の探求を理解する視点など,日常生活の課題に新しい洞察を与えるものであり,多くの個人主義的な視点を持つ素晴らしい概念の贈り物である. 批判的な作業のレンズは,現実の生活の中でどのように作業的公正,作業的不公正,作業権が経験されているか (されていないのか) を決定する権力関係に対する社会の視点において,この贈り物を豊かにしている. この論文の第一の目的は,日本の高齢者の例を基に考えながら,公正や権利を見るために,作業のレンズと批判的な作業のレンズを区別することである. もう一つの目的は,特に,作業的公正や作業権を理解し,他者へ伝え,表現するための基礎となる作業的リテラシーについて研究することや日本と世界中の高齢者にとって作業的にちょうど良い世界に向かうために必要な社会の変革を研究することを通して,学際的研究におけるこの視点の有用性 (非有用性) を簡潔に検討することである.