著者
石田 隆 ニウー ガン 杉山 将
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:21888833)
巻号頁・発行日
vol.2017-MPS-113, no.25, pp.1-8, 2017-06-16

ラベル付きデータの収集にはコストがかかるため,実世界の分類問題を解く際の大きな障壁となる.そこで,パターンが所属しないクラスを一つ指定する補ラベルの設定を考える.補ラベルの収集は,数多くの候補の中から正解ラベルを慎重に選ぶ必要がないため,通常のラベルを収集するよりも遥かに少ない労力で済む. しかし,補ラベルは通常ラベルよりも情報が少ないため,補ラベルに適した学習方法が必要となる.本論文では,損失関数が特定の対称条件を満たすとき,分類リスクの不偏推定量が補ラベルのみから得られることを示す.そして,提案法の推定誤差の上界を理論的に求め,提案法の有用性を実験的に示す.