著者
杉山 将 鈴木 大慈
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.442-447, 2015-04-15

インターネットから得られるテキスト,音声,画像,映像などのマルチメディアデータ,ウェアラブル機器から得られるライフログデータ,パーソナルファブリケーションデータ,ロボットの探査データなど,さまざまな場面で膨大な量のデータが収集・蓄積されるようになってきた.このようなビッグデータを活用して新たな価値を創造するためには,機械学習による知的なデータ解析が重要である.本稿では,統計的パターン認識を例に取り,機械学習でよく用いられる数学の基礎的事項を解説する.
著者
福島 俊一 藤巻 遼平 岡野原 大輔 杉山 将
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.543-554, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)
参考文献数
30
被引用文献数
3

機械学習技術を用いることで,過去の事例・観測データからの学習に基づく,モノやコトの判別・分類,予測,異常検知等の知的な判断をコンピューターで実現可能になる。ビッグデータの活用と相まって,さまざまな問題解決に機械学習技術の適用が広がっている。本稿では,問題解決への適用という視点から重要と考える技術的チャレンジの方向性として,(1)学習結果の解釈性の確保,(2)機械学習から意思決定まで通した解法の実現,(3)深層学習の高速化・高効率化,(4)機械学習型システム開発方法論の確立,という4点について述べる。
著者
杉山 将
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.439-452, 2013-09-25

確率分布間の距離の推定は機械学習における基礎的な研究課題の一つであり,二標本検定,変化点検知,クラスバランス推定など様々な目的に応用することができる.本稿では,確率分布の推定を介さない直接距離近似法,特に,カルバック・ライブラー距離,ピアソン距離,相対ピアソン距離,L^2距離の直接近似法を概観する.
著者
杉山 将
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.111-118, 2006-09-05 (Released:2011-03-28)
参考文献数
44
被引用文献数
4 4

これまで,教師付き学習は訓練用の標本がテスト時に用いる標本と同じ規則に従って生成されるという大前提のもとで研究されてきた.しかし,現実的な場面ではこの前提が成り立たないことも多く,そのような場合は従来の教師付き学習法では良い学習結果が得られない.このような背景のもと,共変量シフトと呼ばれる状況下での学習法が近年盛んに研究されている.共変量シフトとは,与えられた入力に対する出力の生成規則は訓練時とテスト時で変わらないが,入力(共変量)の分布が訓練時とテスト時で異なるという状況である.本稿では,共変量シフト下での教師付き学習の最近の研究成果を概説する.
著者
杉山 将
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:24240982)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.439-452, 2013-09-25 (Released:2017-04-08)
被引用文献数
2

確率分布間の距離の推定は機械学習における基礎的な研究課題の一つであり,二標本検定,変化点検知,クラスバランス推定など様々な目的に応用することができる.本稿では,確率分布の推定を介さない直接距離近似法,特に,カルバック・ライブラー距離,ピアソン距離,相対ピアソン距離,L^2距離の直接近似法を概観する.
著者
杉山 将 山田 誠 ドゥ・プレシ マーティヌス・クリストフェル リウ ソン
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.113-136, 2014-09-26 (Released:2015-04-30)
参考文献数
87

一般的な教師付き学習法では,訓練データとテストデータが同じ確率分布に従うという仮定のもとで学習を行う.しかし実際には,標本の選択バイアスや環境の非定常性などにより,この大前提が満たされないことがある.このような状況では,標準的な教師付き学習法は大きな推定バイアスを持ち,汎化性能が低下してしまう.本論文では,入力変数の確率分布が変化する共変量シフトと呼ばれる状況と,分類問題においてクラス事前確率が変化するクラスバランス変化と呼ばれる状況を考え,重要度重み付けによる半教師付き適応学習法を紹介する.また,確率分布が変化しているかどうかを検知する手法も紹介する.
著者
杉山 将 Muller Klaus-Robert
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.760, pp.129-134, 2005-03-30

教師付き学習では, 訓練入力とテスト入力が同じ確率分布に従うと仮定することが多い.しかし, 内挿, 外挿, 能動学習などでは, この仮定が満たされない.このような状況下では, 交差確認法などの標準的な汎化誤差推定法はバイアスを持ってしまい, 適切にモデル選択を行うことができない.そこで本論文では, 訓練入力とテスト入力の分布が異なる場合にうまく対応できる汎化誤差推定法を提案する.提案する汎化誤差推定量は, 学習したい真の関数がモデルに含まれる場合には不偏性を持ち, 一般には漸近的不偏性を持つ.外挿問題の計算機実験により, 提案する汎化誤差推定量を用いたモデル選択は, 交差確認法によるモデル選択よりも優れていることを示す.
著者
冨岡 亮太 鈴木 大慈 杉山 将
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.182, pp.43-48, 2009-08-24
被引用文献数
2

スパース正則化は凸最適化を通して変数選択や多様な情報源の統合を実現するための系統的な枠組みとして近年注目されている。多くのスパース正則化法は滑らかでない最適化問題として定式化されるため、このような問題を効率的に解く方法が求められている。本論文では、一般の凸な損失関数と広いクラスの正則化関数に対する最適化手法をproximal minimizationの枠組みから導出し、理論的な性質を議論し、既存の手法との関係を解説する。講演では実際のパターン認識やCVの問題を題材として、非常に多くの素性やカーネルが与えられたもとでいかに効率よくこれらを選択し学習することができるかデモンストレーションを行う。
著者
中島 伸一 杉山 将
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:24240982)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.453-483, 2013-09-25 (Released:2017-04-08)

変分ベイズ学習は,行列分解モデル,混合分布モデルや隠れマルコフモデルなど,ベイズ学習の計算が困難なモデルにおける有力な近似学習手法として知られており,その良い性能が様々なアプリケーションにおいて実験的に示されてきた.実験的成功に伴って理論解析も活発に行われ,解のスパース性を誘起する相転移現象などの興味深い性質が解明されている.本論文では,変分ベイズ学習理論の最新動向を紹介する.
著者
杉山 将史 池田 啓祐 金田 翼 甲斐 義弘 富塚 誠義
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.856, pp.17-00279-17-00279, 2017 (Released:2017-12-25)
参考文献数
14
被引用文献数
4

When developing rehabilitation assist suits, safety consideration for patients is crucial. Computer-aided control techniques can improve their safety. However, when the computer breaks down, the assist suit may be dangerous for the user because of its unintentional motion. Therefore, assist suits with hardware-based safety devices are desired to guarantee safety even when the computers do not operate properly. In this paper, we present a new rehabilitation assist suit equipped with a velocity-based safety device and a torque limiter. The assist suit assists a patient's knee joint. The velocity-based safety device switches off the assist suit's motor if it detects an unexpected high joint angular velocity. The torque limiter cuts off the torque transmission if it detects an unexpected high joint torque. These safety devices will work even when the computer breaks down, because they consist of only passive mechanical components without actuators, controllers, or batteries. Firstly, we describe the features of the assist suit with the safety devices. Secondly, we introduce the structure of the assist suit. Thirdly, we explain the structure and mechanism of the velocity-based safety device. Fourthly, we show the prototype assist suit that we have developed. Finally, we present experimental results to verify the effectiveness of the velocity-based safety device installed on the developed assist suit.
著者
石田 隆 ニウー ガン 杉山 将
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:21888833)
巻号頁・発行日
vol.2017-MPS-113, no.25, pp.1-8, 2017-06-16

ラベル付きデータの収集にはコストがかかるため,実世界の分類問題を解く際の大きな障壁となる.そこで,パターンが所属しないクラスを一つ指定する補ラベルの設定を考える.補ラベルの収集は,数多くの候補の中から正解ラベルを慎重に選ぶ必要がないため,通常のラベルを収集するよりも遥かに少ない労力で済む. しかし,補ラベルは通常ラベルよりも情報が少ないため,補ラベルに適した学習方法が必要となる.本論文では,損失関数が特定の対称条件を満たすとき,分類リスクの不偏推定量が補ラベルのみから得られることを示す.そして,提案法の推定誤差の上界を理論的に求め,提案法の有用性を実験的に示す.
著者
中島 伸一 杉山 将 ニコン
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.453-483, 2013-09-25

変分ベイズ学習は,行列分解モデル,混合分布モデルや隠れマルコフモデルなど,ベイズ学習の計算が困難なモデルにおける有力な近似学習手法として知られており,その良い性能が様々なアプリケーションにおいて実験的に示されてきた.実験的成功に伴って理論解析も活発に行われ,解のスパース性を誘起する相転移現象などの興味深い性質が解明されている.本論文では,変分ベイズ学習理論の最新動向を紹介する.
著者
森村 哲郎 杉山 将 鹿島 久嗣 八谷大岳 田中 利幸 Morimura Tetsuro Sugiyama Masashi Kashima Hisashi Hachiya Hirotaka Tanaka Toshiyuki
雑誌
【C】平成22年電気学会電子・情報・システム部門大会講演論文集
巻号頁・発行日
pp.178-183, 2010-09-02

近年、分布Bellman方程式に基づくリターン(積算報酬)分布近似手法が提案され、リスク考慮型強化学習法としての有用性も示された。しかしながら、その収束性に関する解析は十分でない。そこで本報告では、動的計画法により分布Bellman方程式を解いた場合の収束性解析結果を記す。動的計画法により、リターンの初期近似分布に依存せず真のリターン分布に収束することや、真の分布のモーメントに収束する速度について報告する。