著者
ニール スネイプ
出版者
日本第二言語習得学会
雑誌
第二言語 (ISSN:1347278X)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.7-24, 2019

<p>本論文の目的は,冠詞(<i>the</i>や<i>a</i>)の獲得に関する研究に焦点を当て,初期の母語獲得研究から近年の第二言語獲得研究までの冠詞獲得研究の流れを概観することである.特に,文法の中核をなす様々な領域(統語・形態・音韻・意味)や,談話や語用との関連に焦点を当てることによって,第二言語学習者にとって冠詞の獲得が困難である原因を探る.</p>
著者
遊佐 典昭 小泉 政利 那須川 訓也 金 情浩 ニール スネイプ
出版者
宮城学院女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

(1)第二言語の熟達度における個人差を、脳活動の変化としてとらえることが可能である。(2)敏感期以降の日本人英語学習者でも、統語論においては経験以上の知識を得ることが可能であり、外国語環境でも母語で機能する生物学的制約が機能している。(3)統語論の基本原理(構造依存性)に関しては、敏感期以降でも機能する。(4)冠詞、時制の誤りはランダムではなく体系性があり、普遍文法と素性の再構成という観点から、原理的な説明が可能である。(5)明示的教授は少なくとも、言語運用面においては効果がある。(6)本研究の結果は、学習文法の改善に役立つ。