著者
蜷川 順子 並木 誠士 ノーマ レスピシオ
出版者
関西大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

フィリピン国セブ市にあるサント・ニーニョ像は、ヨーロッパ南北および洋の東西の文化交流の結節点に位置づけられる。本研究はその実体を解明し、キリスト教における聖母に伴われない単独幼児像登場の、近代における意味の探究を目的とした。西欧内の交流は宮廷間の強い結びつきを背景としていた。また、同彫像が改宗に際して果たした役割は、フィリピンを含むアジア全域に分布する神話世界と関係する可能性があることがわかった。