著者
林 昭次 佐藤 たまき 中島 保寿 サンダー マーティン フサイヤ アレクサンドラ ウィンリッチ タンニャ
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

首長竜類は中生代の海生爬虫類の中で最も多様化した仲間である。これまでは、他の海生脊椎動物のように首長竜類の骨組織が海綿化することで、高速遊泳に適応していたと考えられていた。しかし、系統進化に伴って首長竜類の骨組織を観察した本研究で、その進化はより複雑なものであることが明らかになった。また、四肢骨内部に見られる成長停止線を観察すると、生後一年で成体の70%ほどの大きさになり、成体まで4~6年で急成長することが明らかになった。このような急激な成長は内温動物でしか観察されないため、首長竜類も内温動物であった可能性が高く、内温性への進化は外洋域への適応と関連していた可能性が本研究によって指摘できた。