著者
志賀 隆 浜島 繁隆
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
自然史研究 = SHIZENSHI-KENKYU, Occasional papers from the Osaka Museum of Natural History (ISSN:00786683)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-16, 2017-12-26

2010年12月に著者の一人である浜島繁隆は、大阪市立自然史博物館にこれまで採集してきた東海地方を主とする水生植物コレクションを寄贈した。寄贈した標本の点数は、水生植物28科129分類群1028点であり、1967年から2010年までの44年間かけて採集したものである。これらの標本は、国内26道県、特に愛知県(542点、52.7%)、岐阜県(203点、19.7%)、三重県(124点、12.1%)の3県において重点的に採集されたのもである(869点、84.5%)。このコレクションは東海地方の水辺環境を知る上で重要な資料であり、本稿では、大阪市立自然史博物館に寄贈された水草標本と、これに関連する浜島繁隆の文献をリストした。
著者
西澤 真樹子 高田 みちよ 渡部 哲也 平田 慎一郎 田中 良尚 松浦 宜弘 佐久間 大輔
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
自然史研究 : Shizenshi-kenkyu, occasional papers from the Osaka Museum of Natural History (ISSN:00786683)
巻号頁・発行日
vol.3, no.16, pp.273-292, 2016-03-22

2011 年3 月の東日本大震災による甚大な津波被害をうけ、南三陸町自然環境活用センター( 志津川ネイチャーセンター) 所蔵の標本を失った南三陸町域において、地域の生物相を記録することを目的に活動を行った「南三陸勝手に生物相調査隊」の採集標本記録をまとめた。調査地には震災直後に生じた環境や復興過程の工事により消失した生息場所が含まれており、そこで見出された希少種などの貴重な記録が含まれている。
著者
石田 惣 山田 浩二 山西 良平 和田 太 渡部 哲也
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
自然史研究 : Shizenshi-kenkyu, occasional papers from the Osaka Museum of Natural History (ISSN:00786683)
巻号頁・発行日
vol.3, no.15, pp.237-271, 2014-12-28

文献、標本、ならびに著者または研究者らによる調査・観察記録を渉猟することで、大阪府の汽水域・砂浜域の無脊椎動物および藻類相を調べた。その結果、記録種は総計で無脊椎動物が571 種群、藻類が57 種群となった。本報ではそれらの種と参照資料のリストを示す。
出版者
大阪市立自然史博物館
巻号頁・発行日
2018-06-01

巻頭言「館収蔵スペースに関する課題」松本吏樹郎. . . . . . . . . . . . . . . . . . 1調査研究事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2資料収集保管事業 .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 17展覧事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 24普及教育事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 33広報事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 42刊行物・情報システム . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 45連携(ネットワーク) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 47庶務 .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 49
著者
奥村 潔 石田 克 樽野 博幸 河村 善也
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
Bulletin of the Osaka Museum of Natural History (ISSN:00786675)
巻号頁・発行日
vol.70, pp.1-82, 2016-03-31

熊石洞は日本の代表的な後期更新世の哺乳類化石産地の一つである.この洞窟の化石堆積物の発掘調査は主に1965年から1981年まで行われ,保存のよい大型シカ化石を含む多数の哺乳類化石を産出した.本報告では,大型シカ化石の詳細な記載を行うが,これによりほぼ同じ大きさのヤベオオツノジカ(Sinomegaceros yabei)とヘラジカ(Alces alces)という2種の大型シカの区別を明確にする.日本においてこの大型シカ2種はしばしば混同されてきたが,骨および歯の特徴からこの2種の識別を行う.また,主に角の形態的特徴に基づき,ヤベオオツノジカが中国産Sinomegacerosの種とは別個の日本固有の種であることを確認する.さらに,歯の萌出と咬耗の程度に基づいて2種の大型シカの年齢構成も明らかにする.
著者
和田 岳
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

2度のホネホネサミットを開催し、日本各地の博物館等で骨格標本などを作製しているグループ・個人が集結する機会を持った。その機会にホネの全国ネットワーク「ホネット」を立ち上げ、メーリングリスト・研修の機会を通じて交流した。また、博物館や学校教育などの場で使えるホネの普及教育活動展開用キットを作成し、その活用について「ホネット」の場で意見交換を行った。
著者
横川 昌史
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
Bulletin of the Osaka Museum of Natural History (ISSN:00786675)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.1-18, 2015-03-31

大分県の国東半島南東部の塩性湿地および砂浜・砂丘の植物群落の現状を把握し,約20年前の植生調査データと比較することを目的として,5つの調査地で,総計50ヵ所の植生調査(調査区サイズ:1 m × 1 m)を行った.得られたデータをNoise clusteringで類型し,主に優占種の違いに基づく14のクラスターが認識され,大きく塩性湿地タイプと砂浜・砂丘タイプに分けられた.塩性湿地においては,すべての調査地で,特有のクラスターが認識された.一方,砂浜・砂丘においては,特定の調査地ですべてのクラスターが認識され,残りの調査地では一部のクラスターしか認識されなかった.過去の植生資料と比較した結果,各調査地レベルでは,一部の植物群落は消失し,一部の植物群落が新たに出現していた.これらの海岸植生の20年間の変化についての現状と過去との比較の情報は,地域の植物相の保全に役立つと考えられる.
著者
岡本 素治
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987 (Released:1987-04-01)

ブナ科の殻斗の形態学的起源について, 2つの説が対立している. 即ち, それぞれの花の下の小花柄の盛り上りに起源するという説と, 二出集散花序の一つ高次の枝に起源するという説である. 前者は, 現生のすべての属の完成した形態の比較研究に基づき主張されている. 一方, これまでの形態発生の研究者はすべて後者の説を支持している. たしかに, 観察された種では, 殻斗片の分裂組織の位置や形態は, 高次の花の原基と区別が困難である. しかし, この立場から, ブナ科の殻斗のすべての形態を説明するのは困難である. 例えば, 二出集散花序のそれぞれの花が, それぞれの殻斗に包まれるマテバシイ属で, 二次の花の殻斗は三次の枝から導かれるとしても, 中心(一次)の花を包む殻斗はいかにして生じえたのだろうか.2つの説のどちらが支持されるべきかを判定するために, マテバシイ属とクリ属の殻斗の発生過程を比較した. その結果, マテバシイ属の中心の花の周辺(特に向軸部)に, 殻斗の発生に先行して, 特徴的な細胞分裂が起ることが明らかになった. そこでは, 接線方向に細長い表皮細胞が規則正しく密に配列し, 放射方向に急速にその数が増大する. これは, この部分で, 著しい介存生長が起っていることを示している. (このような現象はこれまで観察されていなかったし, 今回のクリでも見られなかった. )一方, マテバシイの二次の花の側方には, 三次の枝の原基があらわれ, その部分の殻斗形成に中心的役割をはたす. つまり, これまでの2説はいずれも不完全で, どちらの要素も殻斗形成に関与しているということが明らかになった.以上の成果をふまえ, ブナ科における殻斗の進化過程をより詳細に描きあげることが今後の課題となる.