著者
小池 哲司 倉阪 秀史 馬上 丈司 倉阪 秀史 クラサカ ヒデフミ KURASAKA Hidefumi 馬上 丈司 マガミ タケシ MAGAMI Takeshi
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.31, pp.124-143, 2015-09

2014年に施行された農山漁村再生可能エネルギー法は、再生可能エネルギー電気の固定価格買取制度を背景として、農山漁村における再生可能エネルギーの促進と農山漁村の活性化を目的とした法律である。本法は、自治体の基本計画や協議会での議論によって農林漁業に資する再生可能エネルギーの普及を目指すものであり、市町村や農林漁業者が主体となって実施されていくものとして2012年2 月には野田内閣から閣法として提出されていたが、衆議院解散や政権交代によって審議入りが大幅に遅れ実際に施行されたのは2014年の5月と、最初の提出から2年3ヶ月も経過した後となってしまった。一方でその間には、2012年に固定価格買取制度が開始し、我が国においては特に地域外資本による太陽光発電が爆発的に増加した。本論文は農山漁村再生可能エネルギー法の成立過程およびその制度の内容を踏まえたうえで、その意義や課題について考察するものである。
著者
馬上 丈司 マガミ タケシ MAGAMI Takeshi
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.20, pp.191-206, 2010-03

本研究は、千葉大学公共研究センターと特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所の共同研究による「エネルギー永続地帯指標」をもとにして、日本国内における自然エネルギー利用の現状への考察を行ったものである。化石燃料などの枯渇性資源からの転換、気候変動対策として自然エネルギーの導入拡大が言われるようになって久しいが、国内の利用実態については、統計資料の整備が不十分な状況が続いている。自然エネルギーの利用には地理的条件や気象条件が大きく影響するものであり、導入を検討するにあたってもこれらの情報は必要不可欠であるが、エネルギー永続地帯指標では、全ての市区町村における自然エネルギーの利用実態を推計している。本研究では、エネルギー永続地帯指標の試算結果から、国内における自然エネルギー利用の全体像を概括すると共に、大都市あるいは自然エネルギー供給の多い都道府県を中心に、なぜ現在のような自然エネルギー利用がなされるようになったのか等、その実態の分析を試みた。