著者
マクモラン・ クリス
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.519-531, 2005
被引用文献数
2

最近, 日本の非大都市圏の地方, とりわけ, 温泉地を訪れる観光客が急激的に増えてきた。「各地方へのアクセスの改善」,「自動車の増加」,「大都市からの逃避」, この三つのポイントに基づき, 本論文では日本の「新しい形の個人旅行者」と小規模な温泉との関係について分析する。小規模な温泉では観光目的の「町おこし」として理想的なムラを作る傾向が強まり, 20年前の大規模な温泉に比べ, 人気が高まってきた。この論文では, 熊本県黒川温泉を例に, 最近の日本における観光の流行と「町おこし」が抱える様々な問題点を指摘する。