著者
今井 桂子 河村 彰星 徳山 豪 マトウシェク イルジ レエム ダニエル
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.391, pp.17-22, 2010-01-18

距離空間内の空でない二集合P,Qから等距離にある点の全体をP,Q間の距離二等分という.列 C_1,…,C_<k-1>であって各C_iがC_<i-1>とC_<i+1>との距離二等分であるもの(但しC_0=P,C_k=Qと考える)をP,Q間の距離k等分という.この概念は回路設計についての村田の問をもとに浅野,マトウシェク,徳山が導入し,PとQとがユークリッド平面内の点でありkが3であるときに限りその存在と唯一とを既に示した.本稿ではより一般に固有測地空間内の空でなく交らない二閉集合間に距離k等分が存在することを示す(一意性は不明).証明においては,二集合間のk階層という概念を定義し,その存在をタルスキ不動点定理によって示す.これはレエム,ライクが似た問題に対して用いた手法である.