- 著者
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井出 訓
木村 靖子
杉田 隆介
森 伸幸
イデ サトシ
キムラ ヤスコ
スギタ リュウスケ
モリ ノブユキ
Satoshi IDE
Yasuko KIMURA
Ryusuke SUGITA
Nobuyuki MORI
- 雑誌
- 北海道医療大学看護福祉学部紀要
- 巻号頁・発行日
- vol.13, pp.59-63, 2006
本研究の目的は、高齢者に対する教育的な介入プログラムである「物忘れ予防教室」を、地域介護支援センター職員がそのマニュアルに沿って展開し、高齢者の記憶や自己効力感に対するプログラムの影響を追試すると共に、地域における介護予防活動としてプログラムを展開していくことの可能性を模索することである。対象者は、物忘れ予防教室に参加した者のうち、調査協力が得られ、かつ教室前後でのデータを得ることができた男女16名である。結果から、すべての測定ツールにおいて介入後のプラス変化が見られ、特にメタ記憶の「記憶の補助方法」(p=0.039)と「記憶の自己効力感」(p=0.039)、および抑うつ感(p=0.050)に関して有意な変化が見られた。このことから、物忘れ予防教室によって対象者は有意に記憶に関する自己効力感を高め、また記憶の補助方法の活用頻度を高めていることが明らかとなった。支援センター職員が中心となって行われた「物忘れ予防教室」も、マニュアルに沿って介入を行うとで、参加者の記憶に対する認識や記憶の効力感を高め、高齢者をエンパワーしていく働きかけとなることが示唆され、地域における活動として展開していくことの有用性が確認されたといえる。Purpose of this study was to test the memory training program for its efficiency and applicability as a preventive service for elderly providing at a care support center in community. The subjects for this study were elder participants living in community who agreed to join this research. The result showed significant increase in metamemory (p=0.039) and memory self efficacy (p=0.039). This result suggested that the memory training program was useful as a program aimed at preventing elderly people from requiring nursing care and further losing physical and mental strength.