著者
岡田 昌彰 ヤニッキー アンドレア 中村 良夫
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.601-606, 1997-03-28
被引用文献数
4 3

同化が主流のテクノスケープデザインに対し,その視覚像を自己言及させる「景観異化」の解釈法を提示した。既に理論の確立している詩的言語論に依拠し,「自動化された対象の活性化」なる異化の理念を手掛がりとし,キュビズム,ミニマルアート,ランドアートの美術,及び枯山水庭園にみるデザイン手法を景観異化手法として分析・整理した。その結果,単純化,空洞化,輪郭破壊,フレーミング,遊離化,コラージュ,反遠近構図などの手法を提示した。さらにこれらを分類整理し,言語における異化の理念と景観異化理念との対応を確認し,それぞれの景観異化をテクノスケープにおいて実現させるための留意すべき特性として,その解釈例を示した。