著者
一ノ宮 士郎
出版者
日本監査研究学会
雑誌
現代監査 (ISSN:18832377)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.21, pp.103-111, 2011-03-31 (Released:2017-05-04)
参考文献数
22

デジタル分析は,Benfordの法則を応用したデータマイニング手法であり,財務数値のみならず,自然科学分野での実験データの信ぴょう性検証にも使用されている。会計監査分野では,不正検出等のツールとして活用され,海外での研究発表は数多い。知名度は高いにもかかわらず,我が国では先行研究も少なく,比較的なじみが薄い。本稿は,分析的手続きの一環としてのデジタル分析の適用可能性を実験的に検証したものである。数値の上1桁・2桁目を対象とする通例の手順に加え,追加的な分析手順を実施した点も,本稿の特色であろう。デジタル分析には,一定の限界があるものの,手法としての簡易性等を踏まえ,実務での活用を期待したい。
著者
一ノ宮 士郎
出版者
専修大学経営研究所
雑誌
専修マネジメント・ジャーナル = Senshu management journal (ISSN:21869251)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.1-14, 2013

本稿は,統合白紙撤回事例に焦点を当て,経営統合の成否要因の考察を行ったものである。白紙統合に至らず最終的に経営統合を成功裡に完了させるためには,持株会社方式による統合手法と阻害要因を凌駕する統合動機の強さが寄与していることが確認できた。In this paper, I analyze the success factors of the management integration, focusing on the revocation of the tie-up talks. The results indicate that a holding company system is used as an integrated method and the strength of the integration motivation surpass the obstacles of the integration to complete the integration deal successfully.
著者
一ノ宮 士郎
出版者
専修大学経営研究所
雑誌
専修マネジメント・ジャーナル = Senshu Management Journal (ISSN:21869251)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.1-10, 2022-07-16

最近の不正会計事例かつ国際財務報告基準(IFRS)適用企業という観点から英国のCarillion社とドイツのWirecard社を事例に選び,財務諸表分析とスコアリングモデルの代表例としてBeneishモデルを対比させ,不正会計判別力を比較検討した。IFRSを適用する米国企業以外でも,Beneishモデルは不正会計を判別し得ることが確認できた。