著者
一戸 美佳 市川 邦男 今井 博則 松井 陽
出版者
THE JAPANESE SOCIETY OF PEDIATRIC ALLERGY AND CLINICAL IMMUNOLOGY
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.17, no.5, pp.530-535, 2003-12-01 (Released:2010-08-05)
参考文献数
19

テオフィリン徐放製剤 (テオドールドライシロップ®) の至適投与量の検討を行った. 6か月~12歳 (中央値4.5歳) の気管支喘息児150名を対象に, 1週間以上の内服を確認した後, 内服3~5時間後のテオフィリン血中濃度を測定した. その結果, 6か月~1歳未満では投与量8mg/kg/日以下でも血中濃度10μg/ml以上となった症例がみられることから, 初期投与量はより少量とする配慮が必要である. 1歳児では投与量が11mg/kg/日以下であれば目標血中濃度域5~10μg/mlを越える症例は認められず, ガイドライン通り8~10mg/kg/日での開始は妥当である. 2歳以上の喘息児では10mg/kg/日から投与を開始し, 血中濃度を測定しながら適宜増量する必要がある. またC/D比 (血中濃度/投与量) は1歳未満の乳児では他の年齢群よりも高く, そのばらつきも大きかった. 以上からテオフィリン徐放製剤は, 年齢を考慮したきめ細かい投与が必要と考えた.