著者
一戸 辰夫
出版者
日本組織適合性学会
雑誌
日本組織適合性学会誌 (ISSN:21869995)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.101-107, 2013-08-10 (Released:2013-08-22)
参考文献数
5

現在,わが国において実施されている同種造血幹細胞移植の約30%程度は,非血縁者間さい帯血移植(unrelated cord blood transplantation, UCBT)である。従来より,UCBTにおいてはHLA適合性と移植成績との関連が明確ではなかったが,最近では十分な移植経験の蓄積に伴い,さい帯血ユニットの選択指針を提示し得るような信頼性の高い研究が行われるようになってきた。本講演では,UCBTを対象とするHLA適合性と移植成績に関してのわが国における最新の研究成果を紹介するとともに,その中で得られた知見に基づいたさい帯ユニット選択指針の試案を提示する。
著者
一戸 辰夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.108, no.11, pp.2347-2355, 2019-11-10 (Released:2020-11-10)
参考文献数
15

獲得免疫系の主役をなす細胞群であるT細胞とB細胞は,抗原特異的な受容体として,それぞれT細胞受容体(T-cell receptor:TCR)とB細胞受容体(B-cell receptor:BCR)を発現している.TCRとBCRの抗原結合部位は,遺伝子再構成により決定され,ヒトの体内では1010オーダーの多様性を獲得している.従来,これらの膨大な数に及ぶ抗原受容体のレパートリー(レパトア)の全容を知ることは困難であったが,核酸シークエンス技術の飛躍的発展により,所望の細胞集団に発現されているTCR・BCRの遺伝子配列を個々のクローンのレベルで同定することが可能となった.現在,このような網羅的免疫シークエンス技術が,免疫応答のin vivoモニタリングや抗体医薬品・ワクチン・細胞医薬品等の創薬に応用されつつあり,今後もさまざまな医療の領域に大きな革新をもたらすことが期待されている.