著者
三上 勇気 水溪 雅子 永井 邦芳
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.4_31-4_40, 2010-09-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
60

本研究の目的は,精神科病院で働く看護師の抑うつと怒りの持続の関連とその認知的特性(自動思考,不合理な信念,敵意認知)の影響を明らかにし,抑うつモデルを作成することであった。公立精神科病院2ヶ所,および私立病院5ヶ所の精神科病院に勤務する看護師・准看護師572名に調査を実施した。調査票は無記名で記入後,各自が郵送で返送した。 CES-D得点を平均値より高群と低群に分け,CES-Dの高低群間で「JIBT-R20」と「怒りの持続」,「敵意認知」の得点を比較し,相関分析と先行文献を基に構造方程式モデリングによる因果モデルを作成した。モデルの適合度指標は,GFI=1.000,AGFI=.996で受容でき,どのパスも0.1%水準で有意だった。不合理な信念を強く持つほど敵意認知を高め,怒りが持続しやすくなり,自動思考や抑うつ気分を高める。さらに怒りの持続しやすさもまた,自動思考を高め,抑うつ気分を高めていることが明らかになった。
著者
岩瀬 信夫 岩瀬 貴子 山田 浩雅 中戸川 早苗 糟谷 久美子 三上 勇気
出版者
愛知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

セルフケア行為について慢性統合失調症患者に面接を行った。精神症状が落ち着いても日常的な会話の意味をとらえる困難さや、認知機能の低下、現実感覚の歪み、辛さ、不安がみられ、いざ退院準備をしようとすると、さまざまな提案に困難さを覚える。入院を継続している今は、病気の説明を受けることで疾患を受容し、自分なりに気分転換し、できることをし、代替を考えることにより、病気との付き合いを行っていた。