著者
三井 香奈 茂木 千恵
出版者
日本動物看護学会
雑誌
Veterinary Nursing (ISSN:21888108)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.N6-N11, 2022 (Released:2022-08-24)
参考文献数
15

飼い主のいない猫(野良猫)の、人道的管理として、野外を放浪する個体の捕獲、不妊去勢手術を施して元の場所に戻すTrap–Neuter–Return (TNR) 活動が行われ、TNR活動による個体数抑制の効果も報告されている。本研究では、動物看護関係の大学生と一般市民を対象とし、アンケートを用いた野良猫の捕獲やTNR活動に関する意識調査を実施した。アンケートは米国の野良猫に対する意識調査にて使用された項目を用いており、調査結果は日本と米国との比較、さらに対象者の属性間での比較を行い、意識の相違点を明らかにすることを目的とした。米国と比較した結果、日本では、TNR活動への認知度及び参加意向が高くなっており、この相違には社会的要因の関与が示唆された。加えて一般市民と比較し、動物看護関係の大学生のTNR活動の認知度が低いことが分かった。回答者の性別や年代が認知度に影響を及ぼすことが示唆された。