著者
加藤 秀一 堀田 裕 峯田 昌之 三宅 正文
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.104, no.3, pp.536-539, 2013-05-20 (Released:2014-06-16)
参考文献数
9

症例は56歳,女性.多発性嚢胞腎,慢性腎臓病にて内科通院中に発熱と左背部痛を認めた.CTにて左水腎症,左尿管結石を認め,急性複雑性腎盂腎炎と診断し,左尿管ステント留置および抗菌化学療法を施行した.発熱が持続するため感染性腎嚢胞を疑いMRIを施行したところ,拡散強調画像にて左腎下極の嚢胞の1つが高信号を呈し,感染源と考えられた.同部位にCTガイド下経皮的嚢胞穿刺術を施行し,膿汁のドレナージに成功し治癒に至った.超音波検査やCTでは感染性腎嚢胞を同定するのは困難であるが,本症例のようにMRI拡散強調画像は感染性嚢胞を特定するのに有効であると考える.