著者
平田 哲彦 横山 達也 水谷 美加 寺田 松昭 三巻 達夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.234-242, 1992-02-15
参考文献数
13
被引用文献数
3

光伝送技術の発達によるLAN伝送速度の高速化に伴い 通信制御処理の高速化が求められている本論文では 国際標準であるOSI通信プロトコルのレイヤ4以下を対象に 高速LAN用通信制御装置の構成方式の提案と 試作システムによる実験的評価結果を述べる提案方式の特徴は (1)プロトコル高速処理装置によるOSI通信プロトコルの高速処理 (2)マルチプロセッサ構成による計算機本体インタフェース部 プロトコル処理部 LAN-LSI ドライバ部のパイプライン処理 (3)プロセッサ間FIFOによるマルチプロセッサ構成時のプロセッサ間オーバヘッドの削減 にある提案方式をFDDIに適用した実験システムを構築し 評価した結果 (1)計算機本体と通信制御装置間のデータコピーを行うDMAの性能が16MB/秒のとき 伝送速度に対する実効スループット率が06程度であること (2)プロトコル高速処理装置の導入により データコピー時間や伝送時間を除く通信制御処理時間中に占める通信プロトコル処理時間の割合が3割弱に低減できること (3)プロトコル高速処理装置によって通信プロトコル処理時間を低減した結果 通信制御処理時間の7割以上が計算機本体インタフェース処理やLAN-LSI ドライバ処理となり 各々に汎用マイクロプロセッサを配置し マルチプロセッサ構成とした提案方式が有効であること の3点を明らかにした