著者
川口 優子 西本 美和 三木 智津子
出版者
日本精神保健看護学会
雑誌
日本精神保健看護学会誌 (ISSN:09180621)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.45-52, 2004-05-31 (Released:2017-07-01)
参考文献数
16
被引用文献数
2

本研究の目的は、単身の統合失調症者に対して訪問看護師が具体的にどのような援助を実践しているのか、訪問看護における援助内容と看護技法を検討することである。対象は精神科訪問看護師4名(女性3名、男性1名)と、利用者5名(女性2名、男性3名)である。研究者が訪問看護に同行して参加観察を行い、許可を得て場面を録音した。全体で10回の訪問場面の録音を逐語録にし、観察事項を加えた記録を作成し分析した。その結果、訪問看護師の援助内容として、1)現在の生活の維持・向上 2)他機関・他職種との連携 3)治療・看護の継続として3つのカテゴリーを抽出した。看護師が直接手を出す援助を実際的援助として7つのカテゴリーを、援助時のかかわり方を看護技法として8つのカテゴリーを抽出した。そして精神科訪問看護師の特徴的な看護技法を提示した。