著者
谷 冴香 三木田 直哉 古川 福実 金澤 伸雄
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.125, no.1, pp.97-100, 2015-01-20 (Released:2015-01-20)
参考文献数
11

抗精神病薬や抗菌薬にて薬疹の既往がある57歳女性.市販の鼻炎薬Aを内服した翌日より全身に発熱を伴う発疹が出現した.抗ヒスタミン薬内服とステロイド外用開始後も症状は増悪し,顔面腫脹も出現した.尿と画像所見から尿路感染が疑われ,抗菌薬とステロイドの全身投与により皮疹,尿路所見ともに軽快した.薬剤リンパ球刺激試験とパッチテストにて鼻炎薬Aとその成分のベラドンナ総アルカロイドが陽性を示した.ベラドンナ総アルカロイドは各種市販薬に含まれるが,同様の報告はこれまでになく,注意が必要である.