著者
古川 福実 船坂 陽子 師井 洋一 山本 有紀 米井 希 松永 佳世子 秋田 浩孝 上田 説子 薄木 晶子 菊地 克子 幸野 健 田中 俊宏 林 伸和
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.118, no.3, pp.347-356, 2008

Chemical peeling is one of dermatological treatments for certain cutaneous diseases or conditions or aesthetic improvement, which consists of the application of one or more chemical agents to the skin. Chemical peeling has been very popular in medical fields as well as aesthetic fields. Since scientific background and adequate approach is not completely understood or established, medical and social problems have been reported. This prompted us to establish and distribute standard guideline of care for chemical peeling. Previous guidelines such as 2001 version and 2004 version included the minimums for the indications, the chemicals used, their applications, associated precautions, and postpeeling care and findings. The principles were as follows :1) chemical peeling should be performed under the control and the responsibility of the physician. 2) the physician should have knowledge of the skin and subcutaneous tissue and understand the mechanism of wound-healing. 3) the physician should be board-certified in an appropriate specialty such as dermatology. 4) the ultimate judgment regarding the appropriateness of any specific chemical peeling procedure must be made by the physician in light of all standard therapeutic ways, which are presented by each individual patient. Keeping these concepts, this new version of guidelines includes more scientific and detailed approaches from the evidence-based medicine.
著者
美馬 亨 中島 悠里 大矢 昌樹 池田 高治 龍田 浩一 小林 聡 山本 脩人 國本 悟子 井関 景子 玉置 瑛一朗 奥田 浩二 信貴 勇佑 北 浩光 根木 茂雄 古川 福実 重松 隆
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.661-668, 2016 (Released:2016-10-28)
参考文献数
17

新規の免疫抑制剤や生物学的製剤の登場により, それまで治療が困難な症例も寛解導入が可能となってきた. 一方で, 未だ有効な治療法がない難治性病態も確かに存在する. 例えば, びまん型全身性強皮症における進行性の皮膚硬化は, 関節可動域の狭小化, さらに進行すると関節の拘縮に至り患者のADLを著しく低下させる. また, 筋炎症状の乏しい皮膚筋炎に合併する間質性肺炎は急速に肺機能を低下させ, 有効な治療法のないこともあり未だに致死率が高い病態である. これら難治性病態に対して血液浄化療法が行われ, 全身性強皮症では血漿交換療法が有効であった症例が報告され, 劇症型の間質性肺炎についてはシクロスポリンとシクロホスファマイドなどの免疫抑制剤にエンドトキシン吸着療法の併用療法が有効であったことが報告され, その治療効果が期待されている. これら疾患以外にも, 血管炎により発症する急速進行性糸球体腎炎では腎機能の廃絶により血液透析に至る率は依然として高い. 今後も難治性膠原病疾患に対して血液浄化療法は有効な治療法の一つと考える.
著者
金澤 伸雄 有馬 和彦 井田 弘明 吉浦 孝一郎 古川 福実
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.388-400, 2011 (Released:2011-10-31)
参考文献数
44
被引用文献数
3 4

中條—西村症候群(ORPHA 2615, MIM 256040)は,幼小児期に凍瘡様皮疹で発症し,弛張熱や結節性紅斑様皮疹を伴いながら,次第に顔面・上肢を中心とした上半身のやせと拘縮を伴う長く節くれだった指趾が明らかになる特異な遺伝性炎症・消耗性疾患である.和歌山,大阪を中心とした関西と東北,関東地方に偏在し,30例近い報告がある.全国疫学調査で生存が確認された関西の10症例に加え,新規幼児例が和歌山で見出され,今後も増える可能性がある.長らく原因不明であったが,ホモ接合マッピングにより,免疫プロテアソームβ5iサブユニットをコードするPSMB8遺伝子のホモ変異が同定された.患者由来細胞,組織の検討により,本疾患ではプロテアソーム機能不全のためにユビキチン化,酸化蛋白質が蓄積することによって,p38 MAPK経路が過剰に活性化しIL-6が過剰に産生されることが示唆された.最近,欧米からもPSMB8遺伝子変異を伴う類症が報告され,遺伝性自己炎症疾患の新たなカテゴリーであるプロテアソーム不全症が世界に分布することが明らかになりつつある.
著者
国本 佳代 古川 福実 山本 有紀
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.101-106, 2016 (Released:2016-07-15)
参考文献数
8

非固着性ガーゼは様々な種類のものがあるが,おもにその使用目的はガーゼ交換の際の出血や疼痛緩和,および組織損傷の軽減である。今回我々は非固着性創傷被覆・保護材(ウルゴチュール®,日東メディカル株式会社,大阪,日本)を糖尿病性潰瘍や下腿潰瘍,悪性腫瘍などに使用し,疼痛緩和,上皮化や浸出液の二次ドレッシング材への吸収などにつき良好な経過を得た。また,皮膚欠損創20例に対するメッシュスキングラフトなどの植皮術を行う際に植皮の母床および植皮片とガーゼとの固着を防ぐ目的で非固着性創傷被覆・保護材(ウルゴチュール®)を使用したところ,生着率は75%から100%であった。全例に植皮前後で創部培養検査を行い,細菌叢の検索を行ったがウルゴチュール使用後の創部において菌が検出された症例のほとんどが常在菌であり,非固着性創傷被覆・保護材(ウルゴチュール®)使用下において,感染リスクの上昇は示唆されなかった。(皮膚の科学,15: 101-106, 2016)
著者
勝俣 道夫 瀧川 雅浩 杉浦 丹 田中 信 古川 福実
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 = The Nishinihon journal of dermatology (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.803-809, 2000-12-01
参考文献数
6

脂漏性皮膚炎の治療には,従来からステロイド外用剤が広く用いられてきたが,外用抗真菌剤であるケトコナゾールクリーム(商品名;ニゾラール<SUP>&reg;</SUP>クリーム)は海外において高い評価を得ており,また国内で実施された治験においても改善率は70~80%であることが報告されている。今回我々は,顔面に病変部を有する脂漏性皮膚炎患者54例において,ケトコナゾールクリームと非ステロイド系抗炎症外用剤であるイブプロフェンピコノールクリーム(商品名:スタデルム<SUP>&reg;</SUP>クリーム)との比較検討を行った。その結果,両群の治癒率および改善率&middot;有用性は,ケトコナゾールクリーム投与群ではそれぞれ59%,93%,93%,イブプロフェンピコノールクリーム投与群ではそれぞれ8%,56%,56%であり,両群間には有意な差が認められた。ケトコナゾールクリームは,脂漏性皮膚炎に対してイブプロフェンピコノールクリームより有用性が高いと考えられた。
著者
谷 冴香 三木田 直哉 古川 福実 金澤 伸雄
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.125, no.1, pp.97-100, 2015-01-20 (Released:2015-01-20)
参考文献数
11

抗精神病薬や抗菌薬にて薬疹の既往がある57歳女性.市販の鼻炎薬Aを内服した翌日より全身に発熱を伴う発疹が出現した.抗ヒスタミン薬内服とステロイド外用開始後も症状は増悪し,顔面腫脹も出現した.尿と画像所見から尿路感染が疑われ,抗菌薬とステロイドの全身投与により皮疹,尿路所見ともに軽快した.薬剤リンパ球刺激試験とパッチテストにて鼻炎薬Aとその成分のベラドンナ総アルカロイドが陽性を示した.ベラドンナ総アルカロイドは各種市販薬に含まれるが,同様の報告はこれまでになく,注意が必要である.
著者
稲葉 豊 金澤 伸雄 古川 福実
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association/Meeting of Keiji Dermatological Association
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.26-30, 2013

34歳,女性。頭痛に対して鎮痛薬を使用したところ口唇の腫脹を生じた。数ヶ月後に別の鎮痛薬を使用したところ,上下口唇と手背の水疱および手指の紅斑を生じ,色素沈着を残した。両薬剤に共通な成分であるアリルイソプロピルアセチル尿素 (Allylisopropylacetylurea,AIAU),イブプロフェン,無水カフェインのいずれかによる固定薬疹を疑い,これらの成分に対して無疹部でのクローズドパッチテストを行ったがすべて陰性であった。そのため上下口唇の色素沈着部に AIAU とイブプロフェンをそれぞれ20%含有するワセリンを単純塗布すると,5分後に紅斑が出現した。また無水カフェインの口唇色素沈着部への,AIAU の手背色素沈着部への単純塗布はそれぞれ陰性であった。本症例は皮膚粘膜移行部の固定薬疹であり,同部でのオープンパッチテストは結果が早く得られ,安全で有用性の高い検査法であった。(皮膚の科学,12: 26-30, 2013)